今月の臨床 子宮体癌の最新知見─専門医のために
子宮体癌とピル,HRT
太田 博明
1
,
石谷 健
1
,
岡野 浩哉
1
1東京女子医科大学産婦人科学教室
pp.107-111
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101115
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はじめに
エストロゲンが子宮体癌のリスク因子であることは周知の事実であるが,実際の臨床現場では判断に迷う場合も少なくないと考えられる.本稿では産婦人科専門医を目指す専修医の先生方にも十分に理解できるように,日常臨床において遭遇する4項目の疑問点を呈示して,ピル(低用量経口避妊薬)やHRT(ホルモン補充療法)における子宮体癌との関連について解説する.
ピルは子宮体癌発症リスクを上げるのか,それとも下げるのか?
黄体ホルモンを日常臨床で使い慣れている産婦人科医にとっては容易な問題であるが,ピルはエストロゲンと黄体ホルモンとの合剤であるので子宮体癌発症リスクを半減させる.最新のコンセンサスとして日本産科婦人科学会編の低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン(2006年改訂版)1)を一部抜粋し表1に掲載した.
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