症例
頭蓋内海綿状血管腫合併妊娠の1例
千草 義継
1
,
津浦 光晴
2
,
稲田 収俊
1
,
宇治田 麻里
1
,
金本 巨万
1
,
坂田 晴美
1
,
吉田 隆昭
1
,
中村 光作
1
,
池内 正憲
1
1日本赤十字社和歌山医療センター産婦人科
2日本赤十字社和歌山医療センター脳神経外科
pp.1009-1011
発行日 2008年7月10日
Published Date 2008/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101825
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われわれは,妊娠後期に痙攣発作をきたし,分娩後に頭蓋内海綿状血管腫と診断した症例を経験した.患者は25歳,経産婦.他院にて妊娠管理されていたが,特記すべき異常はなく経過していた.妊娠37週4日に全身の強直間代性痙攣を認め,当科に緊急入院となった.CTにて明らかな脳出血は認めなかったものの,痙攣は頻回でコントロール不良であったため緊急帝王切開を施行した.MRIにて原因を精査したところ,頭蓋内海綿状血管腫と診断された.脳神経外科にて開頭摘出術を施行され,経過良好である.
頭蓋内海綿状血管腫合併妊娠の報告はこれまできわめて少ない.しかし,妊娠経過中に痙攣をきたす疾患の1つとして鑑別すべきものであり,MRIにて診断は容易である.妊娠,分娩にて症状は増悪しないとされているが,痙攣コントロールが不良の場合には妊娠中であっても手術適応と考えられる.
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