連載 Estrogen Series・81
「化学療法による乳癌の予防」について
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.766-767
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101781
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(米国での)近年の乳癌死亡率の減少は乳癌の早期発見とそれに伴うより効果的な治療法による.乳癌発生のリスクファクター(危険要因)は, 女性であること,加齢,早期の初潮,遅れた更年期,初めの生産児分娩(live birth)年齢の高いこと,分娩経験のないこと,乳癌の家族暦,増殖性乳腺疾患の既往,放射線曝露,BRCA1,BRCA2,p53の遺伝子突然変異,癌の既往,エストロゲン─プロゲスチンによるホルモン療法の既往などがある.しかしながら,ほとんどの乳癌で,女性であることと加齢を除いては,リスクファクターはみられない.
Gail測定法*(このGail modelはインターネットにより公開されている.この小文の最後にメイルアドレスがあります)を使用すると,更年期前と後での乳癌リスクの計算値が算定可能である.この乳癌リスク測定法では,以下の5項目が考慮される.過去の乳腺生検回数,生検組織分類,初潮時の年齢,初回の生産児分娩の年齢,家族暦の5項目である.
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