連載 Estrogen Series・28
ホルモン補充療法と乳癌
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.979-981
発行日 1998年7月10日
Published Date 1998/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903349
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第一部
今回は前回に引き続いてホルモン補充療法(HRT)と乳癌に関する最近の発表をご紹介する.Collaborative Group on Hormonal Factors inBreast Cancer(乳癌におけるホルモンの作用に関する共同研究グループ)は21か国,51論文の内容を分析し,HRTと乳癌との関係を解明しようとした.対象人口は乳癌患者52,000人,乳癌のないもの10万人である.HRT開始時の平均年齢は48歳,その34%はHRT使用期間が5年以上であった.
HRTによる乳癌発生危険度は相対危険度(rel—ative risk:RR)により示されている.HRTの非使用者(コントロール)が乳癌を発生する危険度は1.00である.相対危険度がたとえば2.00ということは,乳癌発生の可能性が2倍であることを示す.
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