今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望
不妊・不育の遺伝カウンセリング
黒瀬 圭輔
1
,
竹下 俊行
1
1日本医科大学産婦人科
pp.1478-1481
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101622
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はじめに
近年,生殖補助医療技術は,体外受精とその関連技術の開発と普及により急速な進歩をとげている.また,遺伝医学においても分子遺伝学,細胞遺伝学などの分野に大きな進歩がみられ,特に1990年代からのヒトゲノム研究および遺伝子解析技術の発展は目をみはるものがあった.そして,その接点として生殖医療の現場では,遺伝子診断,染色体検査などの遺伝学的検査が積極的に行われるようになってきた.一般に遺伝学的検査においては,一生涯変化しない個人の遺伝情報を対象としているため,検査を実施するときの十分なインフォームド・コンセント,遺伝学的情報の保護,検査に使用した生体試料の管理,検査前後の遺伝カウンセリングなどを実施することが望ましいといわれている.本稿においては,不妊・不育の遺伝カウンセリングにおけるインフォームド・コンセントの要点,臨床遺伝専門医へのアクセス方法などについて述べる.
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