今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望
男性不妊症の治療―射精障害・勃起障害のストラテジー
岩本 晃明
1
,
松下 知彦
2
1国際医療福祉大学病院リプロダクションセンター男性不妊部門
2大船中央病院泌尿器科
pp.1471-1477
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101621
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はじめに
男性不妊症外来において勃起障害や射精障害(無精液症/精液減少症・逆行性射精)を訴える症例は必ずしも少なくない.平成10年に行われた旧厚生省厚生科学研究白井将文班1)によって行われた本邦での初の男性不妊症実態調査によれば,男性不妊症829例中勃起障害は172例(20.7%)を占め5人に1人ということになり,男性不妊の原因として重要な位置を占める.Sigmanら2)によれば,2,122例の男性不妊症の評価によって射精障害,EDを合わせても2.4%と低頻度であった.因みに筆者らの前任地聖マリアンナ医科大学病院の男性不妊外来の19年間の頻度は1,686例中73例(4.3%)であった.本稿では射精障害,勃起障害についてその原因と治療の戦略を解説する.
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