症例
若年者に発症した卵管捻転の1例
伊達 歩
1
,
林 博章
1
,
上村 淳一
1
,
藤井 哲哉
1
,
中嶋 雅秀
2
,
小西 貴幸
2
1市立旭川病院産婦人科
2市立旭川病院小児科
pp.856-859
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101406
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卵管捻転は稀な疾患で,生殖年齢の女性に好発する.卵管および卵巣の不可逆的な障害を避けるために迅速な診断が望ましいが,特徴的な所見に乏しいため診断はしばしば遅れる.われわれは,16歳女児の卵管捻転の症例を経験したので報告する.患者は下腹部の疝痛で発症し,排尿時痛を伴っていた.次第に右下腹部痛となり発熱を認め,当院小児科に入院となった.腹部エコー検査にて下腹部に球形の嚢胞状の腫瘤を認め,婦人科疾患が疑われ当科に紹介された.傍卵巣嚢腫茎捻転の可能性が考えられ,緊急腹腔鏡下手術が施行された.右卵管が嚢胞状に腫大し2回捻転しており,炎症,壊死様所見を認めた.捻転解除後に保存手術を試みたが,観察後,卵管摘出術を施行した.卵管捻転の原因については不明である.
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