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編集後記
倉智 博久
pp.300
発行日 2011年3月10日
Published Date 2011/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102606
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一昨年,戦後初の本格的な政権交代というふれこみで始まった政権なのに,最近の民主党政権の低迷,迷走ぶりには目を覆いたくなるものがあります.鳩山前首相は理想論を,何の勝算もなく,また,根回しもないまま,公に振りかざしていき詰まり,結局はそれまでに積み上げてきたものも台無しにしてしまうという,稚拙な政権運営で,結局首相の座を放棄してしまいました.沖縄の米軍基地問題がその最たるものでしょう.続く,菅政権に期待が集まったものの,これも期待はずれであったと,言わざるをえません.最近,有明海干拓事業の中止などで指導力と決断力を発揮しようとしたものの,小沢一郎の国会招致問題にしてもパワー不足は否めませんし,鳩山前首相がかき回してしまった沖縄の基地問題は収拾されそうにありません.
朝日新聞の2010年12月29日付けの社説には「斜陽の年─興隆,衰退そして再生へ」という興味深い記事が掲載されています.1945年終戦で「日本ちゃん」が誕生し,19歳でオリンピック,25歳では万博を開催し,40歳で対外純資産が世界一となったものの,40歳後半でバブルが崩壊,50歳ごろから病気がちとなり,小泉改革という劇薬も効なく65歳の現在に至るというストーリーです.
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