医学のあゆみ・41
無脳児
杉 靖三郞
pp.73
発行日 1955年4月15日
Published Date 1955/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909797
- 有料閲覧
- 文献概要
昔から妊娠に関係する迷信とかおまじないのようなものがいろいろある。たとえば,妊娠中に火事を見ると,赤あざのある子が生まれるとか,箒をまたぐと脚の曲がつた子が生まれるとかいつたたぐいである。
何故そのような迷信があるかというと,それは,奇形の児が生まれるのは,人聞の力ではどうにもならないことで,いわば神の仕業だとも考えられ(昔の人が病気が神の仕業だと思つて神に祈つたのと同じように)神や悪魔に祈るより方法はないと考えた名残りであるようである。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.