今月の臨床 PCOS─新たな視点
PCOSの病因
2.高アンドロゲン血症
田嶋 公久
1
,
小辻 文和
1
1福井大学医学部産科婦人科学教室
pp.1167-1171
発行日 2006年9月10日
Published Date 2006/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101272
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はじめに
多嚢胞性卵巣症候群(polycystic ovary syndrome : PCOS)の定義は,時代,地域により必ずしも一致をみないが,近年,特に欧米では高アンドロゲン血症が病態の指標として重視されている.
PCOSでは,副腎と卵巣の両方でアンドロゲン産生の増加を認めるが,本稿では卵巣のアンドロゲン産生細胞である莢膜細胞に焦点を置き,莢膜細胞の機能異常の観点からPCOSの病態生理を概説する.まず正常卵巣における莢膜細胞とアンドロゲンの働きを示したのち,PCOSにおけるアンドロゲン産生異常について最近の知見を述べる.
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