連載 OBSTETRIC NEWS
早産再発予防
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.609-611
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101266
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プロゲステロン合成剤は早産の予防的治療として有望(West J Surg Ob Gyn 72 : 3036, 1964/NEJM 293 : 675, 1975/AJOG 151 : 574, 1985)という複数の研究があったが,すべての結果が好結果ということではなかった(Ob Gyn 56 : 692, 1980/AJOG 146 : 187, 1983).メタ分析の結果,早産や再発流産を防止するうえで有効という証拠はないことが示唆された(BJOG 96 : 265, 1989)が,17 alpha―hydroxyprogesterone(17P)に限定したメタ分析では早産率が有意に減少することが示されている(BJOG 97 : 149, 1990).また,早産歴のある妊婦は次回妊娠で早産のハイリスクであることも明らかにされている(AJOG 178 : 1035, 1998).
Meisらは米国19施設で17Pによる早産再発予防の有用性の有無を調べた.早産歴がある妊娠16週~20週の妊婦を対象に無作為化二重盲検偽薬対照研究を行った.研究群には分娩または妊娠36週まで17P(250 mg)が毎週1回筋注された.妊娠14週~妊娠20週6日までの間に全例に超音波による予定日確認と高度胎児奇形診断が行われた.多胎妊娠,胎児奇形,今回の妊娠でプロゲステロンまたはヘパリン療法を行った例,頸管縫縮術施行または予定例,薬剤投与が必要な高血圧,痙攣性疾患,他施設で分娩予定例は研究対象から除外した.非遵守の定義は2回の注射間隔が10日以上としたが,完全に注射が行えた例(遵守率)は91.5%であった.
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