今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス
VII.麻酔に頼らない和痛法
和痛法の理論と実際
81.ラマーズ法の理論と実際について教えて下さい.
宮川 勇生
1
1大分大学医学部産婦人科
pp.568-569
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101255
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1 はじめに
麻酔に頼らない和痛分娩法として,これまでわが国で最も普及していた分娩教育法はラマーズ法である.そのほかにソフロロジー法,リーブ法,ミュージコテラピー,アロマテラピーなども自然分娩(natural childbirth)に和痛を取り入れた分娩教育法である.
ラマーズ法は,1972年のジーン梅津のペアレントクラフトにおけるラマーズ法の紹介,1978年の尾島のラマーズ法の発表により1),1970年から1980年代のわが国における分娩教育法の中心をなすものとなった.しかし,ラマーズ法はアメリカを介して日本に紹介されたため,当時のアメリカにおける自然分娩への回帰の思想なども一緒になり,紹介されるまでに多くの修飾を加えられ複雑化した.現在では「呼吸法」と家族の「立ち会い分娩」により分娩時の不安や精神的・身体的緊張を取り除くことが中心となっている自然分娩法であるが,各施設により様式が異なっている2).また松永によれば,ラマーズ法の発祥地フランスでは,ソフロロジー法の普及によりラマーズ法はすでに古典的分娩教育法とされている3).
これまでのわが国における主な分娩教育法の時代変遷について表1にまとめた.
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