今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス
IV.硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策
硬膜外麻酔分娩の合併症とその対策
54.硬膜穿刺後の頭痛の予防と対処について教えて下さい.
津田 敦
1
,
長谷 敦子
1
1国立病院長崎医療センター麻酔科
pp.503-505
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101228
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1 硬膜穿刺後頭痛の原因と頻度
硬膜外針(17 G~18 G)で硬膜を穿刺した場合のPDPH(postdural puncture headache)の発生率は90%にも及ぶ.そのうち75~80%に重症の頭痛が起こる.PDPHの原因は,穿刺部位からの髄液漏出によると考えられる.髄液漏出によって脳の浮力が減少して神経や血管が牽引されたり,脳血管が拡張しPDPHが発症するといわれている1).症状としては,激しい頭痛,めまい,嘔気,嘔吐,耳鳴,複視がみられる2).最近では,特発性低髄圧症候群の診断に造影MRI検査が用いられており,PDPH患者にもMRI検査を用いた鑑別診断が可能となっている.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.