レビューでわかる! いまどき診療エビデンス[30]
腰椎穿刺後の頭痛
星野 智祥
1
1太田西ノ内病院総合診療科
pp.82-86
発行日 2009年1月15日
Published Date 2009/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101609
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筆者は,地方の総合病院の総合診療科に勤務している.頭痛を訴えて来院する患者も多く,髄膜炎との鑑別に頭を悩ます機会も多い.髄膜炎の診断に寄与する病歴や理学所見については海外のレビューで紹介されているが,感度,もしくは特異度に問題があって,結局は髄液検査を実施してみないとよくわからないということも少なくない.
ところが先日,腰椎穿刺後に1カ月以上も頭痛が持続した患者さんを経験した.文献を読んでみると,腰椎穿刺後の頭痛(post-lumbar puncture headache:PLPHA)は2日から14日間(平均8日間)にわたり症状が持続するとあるが1),「PLPHAを発症すると10%以上のケースで自然回復まで3週間以上かかる」という報告もあり2),日常診療で腰椎穿刺を行う医療者にとって決して無視のできない問題である.
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