今月の臨床 無痛分娩・和痛分娩ガイダンス
II.硬膜外麻酔分娩の概要
硬膜外麻酔の手技
32.硬膜外麻酔の穿刺部位と穿刺法について教えて下さい.
林 玲子
1
,
田村 高子
1
,
田中 基
1
1国立成育医療センター手術集中治療部
pp.439-441
発行日 2004年4月10日
Published Date 2004/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101206
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1 硬膜外麻酔の穿刺部位
分娩第一期(子宮口全開大まで)の痛みは,子宮の収縮と頸管の伸展により生じるため,産婦は下腹部から腰部の痛みを訴える.これらの痛みは子宮を支配する求心性の神経により伝達される.この痛みは交感神経とともに子宮神経叢から下下腹神経叢,中下腹神経叢,上下腹神経叢を経て腹腔神経叢に至る.脊髄分節ではT10からL1の分節で脊髄に至る.体性痛と比較して,内臓の支配神経は必ずしも明確ではないが,分娩第一期にはT10からL1にわたる範囲の痛覚をブロックすれば鎮痛効果が得られると考えられている.
分娩第二期(子宮口全開大から児の娩出)の痛みは,主として会陰部の伸展による痛みであり,産婦は臀部,仙骨部の痛みを訴えることが多い.これは仙骨神経叢から始まる陰部神経(S2からS4)を経て伝わる1~3).
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