今月の臨床 不正出血の患者が来たら
薬剤使用の有無をチェックする
4.タモキシフェン
吉川 史隆
1
,
水谷 栄彦
1
1名古屋大学医学部産婦人科
pp.292-295
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101163
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はじめに
欧米における乳癌の死亡率は肺癌についで第2位を占めているが,1990年ごろより減少傾向にある.一方,本邦においては乳癌の死亡率は胃癌,大腸癌,肺癌についで第4位であるが,生活習慣の欧米化に伴って年々増加傾向にある.乳癌と子宮体癌はホルモン依存性腫瘍であり,エストロゲンやプロゲステロンにより癌の増殖・進展が影響されるだけでなく,癌の発生にもこれらの性ホルモンが深くかかわっている.したがって,ホルモン依存性を利用したホルモン剤が癌治療に用いられている.子宮体癌に対してはプロゲステロン(ヒスロン)の大量投与が実施されているが,乳癌ではエストロゲンレセプターに結合してその作用を遮断するクエン酸タモキシフェンが使用されている.
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