連載 産婦人科エコー 何を考えるか?・14
胎児の浮腫と腔水症
竹内 久彌
1
1愛和病院画像診断部
pp.211-214
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101130
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妊娠18週0日の妊婦健診で施行された超音波検査の際に胎児胸水が認められたとして即日精検を依頼された症例である.
まず最初に気付かれたことは胎児の全身に及ぶ浮腫であった.浮腫があるとき,頭部が最も観察されやすいことが知られているが,本図には頭蓋を取り囲む浮腫が,特に後頭部に著明であり,一部に嚢胞化(矢印)さえ現れた状態が示されている.前医ではこれだけの浮腫があっても気付かれていなかった.特に性能の悪い装置を使用していたわけでもないので,おそらく胸水の存在にばかり目をうばわれたためと思われる.実は浮腫で肥厚した皮膚は周囲の条件によっては意外に描出されにくいことがあるので注意が必要である.
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