連載 ここまできた婦人科日帰り手術 2
腹腔鏡下卵巣嚢腫摘出術―主にLC,LAACについて―
石原 由紀
1
1湘南鎌倉総合病院産婦人科
pp.203-211
発行日 2003年2月10日
Published Date 2003/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101085
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1 はじめに
1995年10月に湘南鎌倉総合病院に日帰り手術センターが開設されてから,良性卵巣嚢腫の患者の大多数が腹腔鏡を利用した日帰り手術を受けている.術式の定義として,LC(laparoscopic cystectomy)は主にチョコレート嚢腫などの癒着を伴う良性卵巣嚢腫に対して,腹腔内で嚢腫を剥離してトロカール部位から嚢腫を摘出する術式で,LAAC(laparoscopic assisted abdominal cystectomy)は皮様嚢腫,漿液性嚢胞腺腫など可動性の良性卵巣嚢腫に対して,腹腔内で嚢腫を穿針し内容を吸引したうえで嚢腫壁を恥骨上のトロカール部位から腹腔外に引き出し,直視下に嚢腫を摘出する術式としている.大きな嚢腫の場合,嚢腫壁を恥骨上のトロカール部位から腹腔外に引き出す際に12 mmのトロカールの部位から出ないことがあり,この場合はトロカール部位を1~2 cm延長することがあるが,これもLAACと定義している1).
当院では1995年から2002年10月までにLC 328例,LAAC 245例を経験した.またこの応用としてLA(laparoscopic adnexectomy)やLO(laparoscopic oopholectomy)も行っているが,本稿では日帰り腹腔鏡下卵巣嚢腫手術の大多数を占めるLAACとLCについて述べる.
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