増刊号 産婦人科当直医マニュアル―慌てないための虎の巻
II 婦人科編
1 「救急/時間外」の婦人科疾患
7.子宮頸癌大量出血
横山 良仁
1
1弘前大学医学部産婦人科学教室
pp.42-44
発行日 2013年4月20日
Published Date 2013/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103327
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当直医へのcall
◆進行子宮頸癌の放射線療法中あるいは化学療法中の大量出血.
◆未診断の大量性器出血のためコール.
子宮がん検診が普及してきたことや病気の理解が進んだことから進行子宮頸癌の発生頻度は年々減少傾向にある.しかしながら,浸潤子宮頸癌は産婦人科領域の上位に位置する疾患であり,主症状である大量不正性器出血にはしばしば遭遇する.
進行子宮頸癌と診断され,すでに治療が開始されている場合でも大量性器出血は起こりうる.また,突然の大量性器出血を主訴に休日,夜間に搬送される婦人の場合,流産,異所性妊娠を含む妊娠関連の疾患によるものなのか,筋腫分娩,子宮悪性腫瘍などの腫瘍性疾患によるものなのか,あるいは外傷性の外陰・腟の疾患なのか,によってその後の処置が異なるため,即座に判断しなければ生命を脅かすことにもなりかねない.
本稿では未診断の子宮頸癌大量性器出血に遭遇した場合と子宮頸癌治療中の大量出血の場合の対応について概説する.
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