今月の臨床 性差医療
循環器疾患と性差
1. 高血圧と性差
浅香 真知子
1
,
野出 孝一
1
1佐賀大学医学部附属病院内科 腎臓・循環器部門
pp.848-851
発行日 2006年6月10日
Published Date 2006/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100724
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はじめに
日本における高血圧有病者は3,500万人といわれ,平成14年の医療機関受診者を疾患別にみると,男女ともに高血圧は第一位となっている.メタボリックシンドローム患者においても,高血圧をリスクとして含む集団の心血管病の発症リスクは有意に高くなる.高血圧は動脈硬化進展,心血管病の危険因子として,医療経済の観点からも介入すべき重要な位置にある.高血圧や心血管病には性差が認められ,女性においては閉経期をターニングポイントとした増加が認められることより,エストロゲンとの関連について,さまざまな報告がある.
本稿では,高血圧の性差疫学と発症機序,ならびに高血圧発症におけるエストロゲンの関与と更年期女性における高血圧治療について述べる.
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