今月の臨床 症例から学ぶ前置胎盤
症例から学ぶ
2.膀胱まで胎盤が浸潤した前置・穿通胎盤の1例
赤堀 周一郎
1
,
山本 昌彦
2
,
早瀬 良二
3
1財団法人赤堀病院
2中国中央病院産婦人科
3国立病院機構福山医療センター婦人科・産科
pp.1332-1335
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100661
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
帝切率が上昇している今日,帝王切開は比較的安全に行われているが,大量出血などの予期せぬ合併症に出会うことがある.特に帝王切開既往妊婦の前置胎盤症例では帝王切開瘢痕部への癒着胎盤を起こしやすい1, 2).このような症例では帝王切開中に制御不能な出血をきたしやすく,子宮摘出が必要なことが多い3, 4).また子宮摘出中に膀胱損傷をきたしやすい5, 6).われわれは帝王切開既往妊婦に発症した前置癒着胎盤症例で,胎盤が膀胱壁まで浸潤をきたしたと考えられる症例を経験したので報告する.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.