連載 OBSTETRIC NEWS
分娩第二期管理2003年(2)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1307-1309
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100658
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分娩第二期所要時間を独断的に決定し,一定時間を超えたら介入する「特に器械的分娩や帝王切開(帝切)」という管理方法を支持するevidenceは不十分であることを前回に紹介した.本稿では,最近の分娩第二期管理に関する研究を紹介する.
1. 児頭の下降度とpositionのスコアリング システムによる分娩様式と産科転帰予測
Sizer(ウェイルズ大学病院)らのスコアリングは,前方後頭位(2),occipitotransverse(1),後方後頭位(0),ステーションは坐骨棘より1 cm以上下降(2),1 cm下降(1),1 cm以上上方(0)とした.児頭が見え,肛門開大をスコア5とした.研究対象は満期,単胎,頭位の1,413例(未産婦744例)で,子宮口全開大までは2時間ごと,全開大から1時間まで1時間,1時間以上では30分ごとに内診した.その結果,88%は全開大後1時間以内に分娩が終了したが,残りの12%が分娩進行曲線で検討された.経腟自然分娩となったのはスコア合計0群では25%,スコア5では97%であった.また,分娩第二期所要時間(未産婦)は低スコア群でより延長することが示唆された(スコア0 : 131分,スコア4 : 67.5%).経産婦でも同様の結果であった.したがって,このスコアリングシステムで経腟自然分娩例が予知できることが示唆された(OG 96 : 678, 2000).
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