早期胃癌研究会
2003年2月の例会から
工藤 進英
1
,
細井 重三
2
1昭和大学横浜市北部病院消化器センター
2多摩がん検診センター消化器科
pp.1351-1353
発行日 2003年8月25日
Published Date 2003/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403100783
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2003年2月の早期胃癌研究会は2月19日(水)に東商ホールで開催された.司会は工藤進英(昭和大学横浜市北部病院消化器センター)と細井董三(多摩がん検診センター消化器科)が担当した.mini lectureは「拡大内視鏡による分化型早期胃癌の微小血管構築像」と題して八尾建史(福岡大学筑紫病院消化器科)が行った.
〔第1例〕78歳,女性.盲腸癌(症例提供:大阪鉄道病院消化器内科 富岡秀夫).
主訴は食後の腹部膨満感である.読影は趙(京都第二赤十字病院消化器科)が担当した.X線像(Fig.1)では盲腸の回腸側から回腸末端に伸展不良で辺縁不整な部位を認め,憩室や虚血が原因となった腸管外からの炎症の波及ではないかと述べた.赤松(信州大学附属病院光学医療診療部)は,深い潰瘍形成を伴った盲腸から回腸末端の隆起性病変を認め,単純性潰瘍・Behçet病・悪性リンパ腫等を考えると述べた.それを受け,趙も盲腸が炎症の主座で潰瘍性病変が回腸末端に瘻孔形成し,周囲に炎症が及んでいると付け加えた.丸山(早期胃癌検診協会)は腸管内に凸になっている所見はapple core signとも読めることより,鑑別として回盲部の全周性の癌を考えた.内視鏡では盲腸内側に巨大な潰瘍を有す隆起性病変を認め,盲腸癌の瘻孔形成と診断した.
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