連載 OBSTETRIC NEWS
分娩第二期の管理2003年(1)
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1170-1171
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100613
- 有料閲覧
- 文献概要
パークランド記念病院では,未産婦で分娩第二期所要時間が2時間を超える例は6%である(Williams Obstetricsの第21版p431, 2001).あまり稀ではないことは,われわれも日常診療でしばしば経験することである.
子宮口全開大後,分娩まで何時間くらい経過観察できるのかに関しては,「分娩第二期所要時間の独断的制限」,特に「未産婦では分娩第二期が2時間経過する前に分娩を終了すべき」という「概念」が長い間,大多数の産科医の間で支配的であった.この概念が定着するに至ったのは,Hellmanらの研究データに対する不正確な判断が原因だろうとBowesは述べている.Bowesは,「Hellmanらの研究に対する誤った判断から,外傷の原因となる中位鉗子分娩や不必要な帝王切開(帝切),吸引分娩の過度の採用につながっていった」と推測している[in Maternal─Fetal Medicine. 4th ed(Creasy & Resnik). p541, 1999].
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.