今月の臨床 ここが知りたい─婦人科がん化学療法
外来化学療法はどうあるべきか
新美 茂樹
1
,
落合 和徳
1
1東京慈恵会医科大学産婦人科
pp.1284-1287
発行日 2004年10月10日
Published Date 2004/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100651
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はじめに
プラチナ製剤を中心とした癌化学療法が導入されて以来,婦人科癌の予後が著しく改善した.しかしながら,シスプラチンはその毒性のために大量の点滴を必要としており,入院を余儀なくされてきた.その後,カルボプラチン(CBDCA)の開発によって腎毒性は軽減されたが,プラチナ製剤であるという先入観,投与方法の検討不足などからなお入院治療が主流であった.近年になってタキサン系抗癌剤の開発に伴い,投与方法の検討も多くなされ,weekly TJ(paclitaxel+CBDCA)療法など,安全でなおかつ予後には影響しない方法が検討されつつある.
また,抗癌剤の有害事象を最小限に抑えるさまざまな補助療法も開発されてきた.G─CSFは癌化学療法を安全かつ確実に行うために必要不可欠であるが,これらの補助療法の工夫などにより外来化学療法が安全に行える基盤が整いつつある.しかしながら,緊急時の入院ベッドの確保など施設によっては外来化学療法が困難となりえる因子も多い.本邦では外来化学療法は移行期にあり解決すべきさまざまな問題を抱えているが,ここでは当院の外来化学療法を中心に概説する.
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