今月の臨床 妊娠中毒症─新しい名称と定義
中毒症の基礎─病因・病態の新知見
2.過凝固・交感神経活性化・血管攣縮と血管内皮障害
小林 隆夫
1
1信州大学医学部保健学科
pp.1000-1007
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100577
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
われわれは,血管内皮障害こそが妊娠中毒症諸症状の本態であり,これに過凝固状態,交感神経系活性化,血管攣縮などが密接に関連し合い,悪循環を形成しながら妊娠中毒症病態を完成するものと考えている(図1)1).本稿では,臨床例での検討を通して妊娠中毒症における血管内皮障害の病態をさまざまな角度で捉え,病態の解明と新しい治療の確立を検討する.なお,臨床例の検討はすべて日産婦分類による重症妊娠中毒症症例であり,各種検査は当施設の倫理委員会の承認を得て施行した.
Copyright © 2004, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.