今月の臨床 妊娠中毒症─新しい名称と定義
中毒症の基礎─病因・病態の新知見
1.妊娠中毒症における遺伝・環境共同作用の解析とその応用
小橋 元
1
,
太田 薫里
2
,
山田 秀人
2
,
水上 尚典
2
1北海道大学大学院医学研究科予防医学講座
2北海道大学大学院医学研究科生殖・発達医学講座
pp.995-999
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100576
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はじめに
近年の分子生物学と疫学の進歩により,妊娠中毒症においてもその感受性遺伝子の探索が進み,妊娠中毒症の複雑な病因の解明と新しい病型分類への応用が期待されている.また,感受性遺伝子多型と生活習慣調査結果などとの共同解析による遺伝・環境相互作用の解明,さらには妊婦個人の体質や事情を考慮した新しい予防対策の実現が期待されている1, 2).
本稿では,われわれが従来行ってきた分子疫学的研究の成果1),すなわち日本人の妊娠中毒症と各遺伝子多型との関連分析結果と2),遺伝子多型と生活習慣との共同解析結果を紹介し,今後の病型分類や予防医学への応用を展望する.
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