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特集 いま一度 低血糖を考える
低血糖と交感神経活性による血管内皮細胞機能障害
The relationship between hypoglycemia-induced activation of sympathetic nervous and vascular damage
三田 智也
1
,
綿田 裕孝
1
1順天堂大学大学院 代謝内分泌内科学
キーワード:
①低血糖
,
②交感神経活性
,
③血管内皮細胞機能障害
,
④心血管イベント
Keyword:
①低血糖
,
②交感神経活性
,
③血管内皮細胞機能障害
,
④心血管イベント
pp.603-608
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101255
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はじめに
血糖を良好にコントロールすることで糖尿病細小血管症の発症や進展が抑制されることが明らかになっている.一方で,大血管障害の発症や進展に対する厳格な血糖コントロールの有効性は,いまだ議論の余地がある.問題となるのは,厳格な血糖コントロールを目指す際に低血糖の発症のリスクが高くなることである.そして,この低血糖が動脈硬化に対して悪影響を及ぼすことを示唆する報告が増えてきている.しかし,実際に低血糖がどのように血管障害に関与しているのかは明らかにはなっていない.本稿では,低血糖と動脈硬化の初期の変化と考えられる血管内皮細胞機能障害との関係を中心に概説する.
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