今月の臨床 血栓症と肺塞栓―予防と対策
婦人科手術における血栓症予防対策─当科の方針
3.手術後静脈血栓症予防対策の実際
片瀬 功芳
1
,
清水 敬生
1
1山王メディカルプラザ女性腫瘍・内分泌センター
pp.696-699
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100524
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はじめに
静脈血栓症ならびに肺塞栓症は,手術後に注意しなければならない最も危険な合併症の1つとして,最近ではテレビをはじめ一般向けメディアでも広く報道されるようになっている.その結果,手術を受ける患者およびその家族の関心の度合いも高まっている.手術後の静脈血栓症,肺塞栓症は,日本においては稀なものと漠然と考えられてきたが,事実はそうではない1).社会全体の関心の高まりとともに,われわれも身近な術後合併症との認識を持って,できうる限りの対策を考える必要がある.
本稿では,当科における術後静脈血栓症の予防対策および肺塞栓症発症時の対処法について,われわれが用いている薬剤,製品およびそれらの使用方法などを,できるだけ具体的に紹介したいと考えている.
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