今月の臨床 血栓症と肺塞栓―予防と対策
血栓症の予防薬・治療薬とその使い方
山本 武人
1
,
伊賀 立二
1
1東京大学医学部附属病院薬剤部
pp.700-703
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100525
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はじめに
血栓症とは血栓が引き起こす症状を指し,血栓が原因になって起こる病態は血栓症と塞栓症に大別される.血栓症は血栓が形成箇所で血流を閉塞することによる症状であり,一方,塞栓症は血栓が形成箇所から剥がれて血流によって移動し,ほかの箇所で血流を閉塞することによって起こる病態のことを指す.血栓症や塞栓症は,形成部位によっては致命的な転帰をたどることもあるため,血栓の生成を予防することは臨床上きわめて重要である.主な血栓症予防薬の特徴を表1に示す.本稿では,これらのなかから代表的な薬剤を取り上げて,その使用上の留意点について述べる.なお,誌面の都合から,血栓溶解療法に用いる薬剤については詳述を割愛したので,ほかの成書を参照されたい.
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