今月の臨床 月経前症候群と月経痛─どう対応するか
月経痛
機能性月経痛への対処法―外科的治療
寒河江 悟
1
,
藤井 美穂
1
1札幌医科大学産婦人科
pp.1009-1015
発行日 2005年7月10日
Published Date 2005/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100374
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はじめに
機能性月経困難症とは骨盤内に器質的な原因がなくて月経困難症を伴うものをいい,思春期女性に多くみられる.原因としては,子宮発育不全に基づく子宮筋の収縮調節障害や黄体期のプロゲステロン作用の不均衡による月経時の子宮筋の過収縮が起こり,その結果,子宮筋への血流の減少,虚血を引き起こし,疼痛を生じると考えられている.そのほかにもホルモン分泌障害,自律神経失調などによると考えられている.
機能性月経困難症に対する対処としては,種々の試みがなされている.カウンセリングもその原因に種々の心理的因子が関与している場合には効果的である.治療法としては保存的治療として薬物療法が挙げられる.第一選択としては非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)であり,子宮収縮抑制剤,精神安定剤,漢方薬,経口避妊薬などもその症状や原因に応じて使用される.本稿では,薬物療法ではなく手術療法について最近の流れを含めて述べることとする.
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