連載 Dos&Don'ts婦人科当直の救急診療ガイド・11
―性器出血を伴わないもの―卵巣過剰刺激症候群
葛西 真由美
1
,
鈴木 博
1
1岩手県立中央病院産婦人科
pp.779-783
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100333
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1 はじめに
卵巣過剰刺激症候群(OHSS)は排卵誘発剤の投与により,卵巣腫大,腹水あるいは胸水の貯留,血液濃縮および循環血液量減少を3大症状とする症候群であり,ほかに体重増加,食欲不振,血清電解質異常,および乏尿などを伴う(図1)1).重症例では血栓症,腎不全,呼吸不全などを合併して,脳神経障害の後遺症を残したり,多臓器不全により死に至ることもある(図2)1).治療に当たっては病態を理解し,病状を悪化させないように進めていくことが大切である.
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