今月の臨床 安全な婦人科手術をめざして
機能保存手術
子宮脱の手術
古山 将康
1
,
村田 雄二
1
1大阪大外大学院医学系研究科器官制御外科学(産科学婦人科学)
pp.756-759
発行日 2005年5月10日
Published Date 2005/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100330
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はじめに
婦人科癌などの悪性腫瘍摘出手術においては,安全性と確実性は独立した因子として考えられる.骨盤内臓器の摘出範囲を広範囲に行って確実性を高くすれば,隣接臓器の損傷の危険性は高くなり,安全性が阻害されることとなる.一方,性器脱や尿失禁などの骨盤底機能障害に対する骨盤底再建手術は機能回復を目的にしており,確実性(機能回復維持)を確保し,かつ安全な手術でなければ治療の意味が失われ,不確実な手術は再発によるポリサージェリーとなり,結果として安全性が損なわれ,重篤な合併症を起こす危険がある.安全性の追求には,常に確実性の追求が必要となる.
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