今月の臨床 女性診療科外来プラクティス
IV 不妊・避妊・不育症外来
2. 排卵障害
伊藤 理廣
1
1群馬大学大学院生殖再生分化学講座
pp.489-493
発行日 2006年4月10日
Published Date 2006/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100088
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1 病因・病態
正常な月経周期は間脳─脳下垂体─卵巣というホルモン産生器官の一連のホルモンのダイナミックな働きにより卵巣から排卵が起き,子宮からは月経が定期的に起こる.すなわち,正常な月経周期のためには確実な排卵が必要である.排卵障害の原因はさまざまだが,受診の動機としては結婚して挙児希望を持つまでは,無月経あるいは月経異常として受診し,結婚後は不妊症として受診する場合が多い.
月経周期異常は基礎体温表をもとに次の4つの種類に分類される(図1).すなわち,(1)持続性無排卵周期症 : 排卵がまったくなく,出血のみある場合,(2)散発性無排卵周期症 : 基本的には排卵があるが,ときどき排卵が行われない場合,(3)黄体機能不全症 : 高温相が9日以内や,高温相の形が不整形,(4)排卵性周期不整症 : 排卵までの日数が変動する場合,である.
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