生涯研修セミナー 子宮内膜症
不妊と子宮内膜症
永田 行博
1
Yukihiro Nagata
1
1鹿児島大学医学部産婦人科学教室
pp.85-88
発行日 1988年1月10日
Published Date 1988/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409207723
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外性子宮内膜症(以下子宮内膜症という)が不妊症の原因になることは以前よりよく知られており,月経困難症とともに主要症状の一つに挙げられる。骨盤内に播種された子宮内膜症は癒着を促進し,最終的にはfrozen pelvisの状態になる。また,発生部位としてはもっとも多い卵巣子宮内膜症は多くはチョコレート嚢腫を作り,排卵や黄体機能に影響を及ぼしたり,卵管の機能的・器質的障害をも招来することが考えられる。しかし,最近不妊と関連して子宮内膜症が議論されるのは,進行した子宮内膜症と不妊との関連ではなく,初期あるいは軽症の子宮内膜症が不妊を惹起するかどうかということである。
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