Japanese
English
臨床経験
手指骨より初発したサルコイドージスの1例
A Case of Bone Sarcoidosis in a Phalanx
藤田 資文
1
,
横山 正弘
2
,
本郷 一郎
2
,
柳谷 幸敏
2
,
花井 淳
3
Motofumi Fujita
1
1滋賀医科大学整形外科学教室
2市立堺病院整形外科
3市立堺病院臨床病理
1Department of Orthopedic Surgery, Shiga University of Medical Science
キーワード:
骨
,
bone
,
サルコイドージス
,
sarcoidosis
Keyword:
骨
,
bone
,
サルコイドージス
,
sarcoidosis
pp.165-168
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908707
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抄録:サルコイドージスの骨病変はよく知られているが,本邦における報告は比較的少なく,自験例も含め28例である,このうち約半数が皮膚科領域における報告である.骨病変を有する場合,すでに肺病変や皮膚病変を伴う事が多く,自験例のごとく骨より初発する例は3例にすぎない.
症例は,49歳女性,右小指の腫脹及び疼痛を主訴として来院した.初診時X線像では,胸部に全く異常を認めず,右小指基節骨に嚢状骨透亮像が存在した.試験切開では,基節骨髄内より発生した肉芽が,皮質を破壊し周囲組織に侵入していた.組織学的には,炎症細胞の浸潤を伴った類上皮細胞結節が所々に見られたが,特異的な変化はなく,乾酪壊死も認められなかった,経過観察をしていたところ,頸部リンパ節腫脹が出現し,同部の生検により,典型的なサルコイドージスの像を得た,そこでステロイドの内服を開始し,臨床症状の改善をみた.
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