Japanese
English
シンポジウム 骨組織に対する力学的負荷とその制御―日常臨床に生かす視点から
骨の適応的リモデリングに関する実験的研究
Experimental Study on Adaptive Remodeling of Bone
高久田 和夫
1
Kazuo Takakuda
1
1東京医科歯科大学医用器材研究所
1Institute for Medical and Dental Engineering, Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
bone
,
骨
,
adaptive remodeling
,
適応的リモデリング
,
animal experiments
,
動物実験
Keyword:
bone
,
骨
,
adaptive remodeling
,
適応的リモデリング
,
animal experiments
,
動物実験
pp.963-968
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902501
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抄録:骨は力学的環境に対する適応機能を有しており,荷重状況に応じて適応的に形状を変化させる.例えば長管骨が骨折し曲がった形状に修復してしまっても,より力学的に好ましい真直な形状に戻る.このとき圧縮側の骨膜面および引張側の骨髄腔面では骨形成,圧縮側の骨髄腔面および引張側の骨膜面では骨吸収となるような骨形成および吸収が同時に生じる必要があるが,どのような機構によりこのような適応的リモデリングが生じるかは明らかでない.ラット脛骨の3点曲げ実験系により,成長期の動物における力学的刺激による骨のリモデリングを調べた結果,骨の形成は年齢,荷重条件,骨の部位に大きく影響されて生じる極めて複雑な現象であることが分かった.適応的なリモデリングの発生を示唆する場合もあるが,説明のつけられない骨形成も観察されている.骨の力学的刺激への応答機構を分子レベルで明らかにすることは極めてチャレンジングな問題である.
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