視座
救急センターにおける整形外科医の関与の度合は?
猪狩 忠
1
1岩手医科大学整形外科
pp.547
発行日 1980年6月25日
Published Date 1980/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908620
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New York Orthopedic HospitalのProf. McLaughlinの著書"Trauma"を読んでから整形外科学の講義からtraumatologyをはずして,別の講義時間を設定していたのであるが,近来救急医学といわれ,primary care medicineといわれる医療,教育の必要性の認識の高まりと,厚生省方面の意向もあり,われわれの大学においても,岩手県高次救急センターの設立,経営の一切をお世話することになり,改めて私共の大学病院で取り扱つているいわゆる三次救急に該当する患者数を洗い直してみたのである.
年間数10,000〜12,000人の時間外診療と学内診療科で取り扱つた患者のうち,ICU,CCUなり,緊急手術を必要とした症例は昨年一ヵ年間で785例を数えたのである.そのうち内科系では脳硬塞,脳出血,脳動脈瘤などが125,心筋硬塞,狭心症など80で,外科としては消化器出血60,イレウス40症例および脳動脈瘤の一部が主で,整形外科の側で災害災害と騒いでいる外傷のうちで三次救急として処置すべき骨折は15例,外傷性切断12例,脱臼骨折7例などで,三次救急診療として処置すべき総患者数の5%にすぎないことが判つた次第である.
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