視座
日本人と外国語
片山 良亮
1,2
1東急病院
2東京慈恵会医科大学
pp.425
発行日 1979年5月25日
Published Date 1979/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908565
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SICOTに出席して思つたことであるが,近頃の若い方は外国語ことに英語が非常に上手になられたと思う.外国の方の間に伍して少しも遜色のないのを拝見して,心から嬉しく思つた次第である.英国やアメリカのような英語を母国語としている方は別としても,他の国の方に較べて日本人の英語は凡そのところ発音がよろしいのではあるまいか,同じ英語を話しても,それぞれの国によって,その国の訛りを伴いがちであるが,日本人などは比較的少ない方ではあるまいか.先日のSICOTの演説でも何処かの国の言葉で話しているんだなと思つていると,その中に英語らしい言葉が出て来て,やつぱり英語だと思つたことが何回かある.しかし日本人もこの点では決して安心はできない.これについて面白い伝説がある.ある有名な外科の先生がアメリカで英語で講演したところ,沢山にアメリカの医者が来ていて,中には日本語の達者な二世も混じつていた.講演が終つたところで,あるアメリカ人がその二世に,日本語も英語に似たところがあるんだなといつたという.
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