特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
腰椎椎間板ヘルニアの再手術症例の検討
渡 貞雄
1
,
馬場 逸志
1
,
進藤 明
1
,
村上 弓夫
1
Sadao WATARI
1
1広島大学医学部整形外科学教室
pp.938-940
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908520
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過去約17年間に当教室で手術を行つた腰椎椎間板ヘルニア症例は434例でその術式は主として当初は骨形成的部分的椎弓切除術,最近ではLove法によるヘルニア剔出術を行つて来た.その成績を桐田の分類に準じて示すと優240例,良125例,可26例,不可13例となり優良例は合計365例(90.3%)とほぼ満足すべき成績を得ている.このうち当科で再手術が行われたもの12例(2.8%),他病院で再手術が行われたもの3例,再手術のみ当科で行われたもの1例計16例について検討を行つた.
これら再手術症例の性別は男14,女2例,職業の別では重中労働者が10例となつている.再手術の原因別では他椎間レベルに生じたもの7例,初回手術部位のとり残し2例,いわゆるdevelopmental spinal canal stenosisにヘルニアを生じLove法で剔出術を行つたものの反対側に根症状を遺し椎弓切除を行つたもの2例,術後変形性脊椎症を来たし馬尾神経症状を生じて椎弓切除をを行つたもの,ヘルニア剔出部位の不安定性を来たし脊椎固定術を行つたもの各1例,他病院で再手術が行われ原因不明のもの3例となつている.即ち再手術の原因の明らかな13症例中4例は初回手術時に注意をすれば再手術は行われずにすんだと考えられる.これら再手術症例の成績は優6,良5,可3,不可2例で優良例の合計は11例(68.7%)と明らかに成績が劣つている.
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