特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
腰部椎間板ヘルニアの治療—とくにAnterior approachの立場より
井上 駿一
1
Shunichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.917-919
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908508
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私共の教室において故鈴木次郎教授によつて腰椎椎間板ヘルニアに対する経腹的椎間板切除・前方固定法が創始せられたのは1955年10月であり,以来1974年2月までの前方法による手術症例は407例である.この間の後方法手術例は86例であり,その比は4.7:1となつている.前方法の年間手術例は30例内外であり1966年から一部に腹膜外路法も導入されている.教室の前方手術は診断法,術式,後療法に数度かのmodificationが行われているが,強調すべきことは術前の診断法としてMyclography,Discographyが第1例より一貫して行われたことである.両者に対するウエイトのおきかたには時期的にも変化があつたがいずれも術前診断にあたり不可欠な手段と考えている.Discogramは椎間板病態の直接的描写法であり,Myelogramは椎管内病変の診断・鑑別に有用であり両者は相互補完的なものと考えられる.ヘルニアのMyelogram解読にあたり,教室では i)完全ブロック,ii)砂時計様高度狭窄,iii)部分欠損,iv)神経根嚢欠損および異常の5つに病的所見をわけている.
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