特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
腰部椎間板ヘルニアに対する椎弓切除術の検討
桐田 良人
1
Yoshito KIRITA
1
1天理病院整形外科
pp.914-915
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908506
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本症手術1216例中,1177例について術式別内訳は骨形成的部分的椎弓切除術および同法とLove法併用435例,Love変法717例,骨破壊的椎弓切除術25例である.Love変法を昭和44年4月より全面的に採用した.当初よりの骨破壊的椎弓切除術は腰椎上部のヘルニア,馬尾神経腫瘍を疑つたもの,または巨大ヘルニアかヘルニア周囲の高度癒着のため手術中途よりこの方法に切りかえたものである.また昭和37年神経学的高位診断法を発表して以来鑑別診断困難な少数症例以外ミエロは全く行わない.
本法の好発部位はL4-5間55.6%,L4-5,L5-S1間Double Herniation 19.6%,L5-S1間15.0%でL4以下の下部椎間板に95%をみ,左側に多い(1.3:1).男子に多く(3.3:1),好発年齢は男女とも同じ傾向を示し,20歳代が37.9%で最も多く,ついで3O歳代,40歳代,最少年齢は14歳,最高78歳であつた.発症の誘因を54.9%にみとめ,重量物拳上時が最も多い.腰痛および下肢への放散痛を主訴とするもの86.7%,腰痛または下肢痛のみはそれぞれ7.9%,4.4%,膀胱直腸障害7例,腓骨神経麻痺5例,菓子脱力感を5例計17例が特殊な主訴を示し1.2%あつた.
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