シンポジウム 腰部椎間板症
腰部椎間板ヘルニア症に対する神経学的高位診断と手術成績
桐田 良人
1
Yoshito KIRITA
1
1天理よろず相談所病院整形外科
pp.599-609
発行日 1969年8月25日
Published Date 1969/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904109
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はじめに
腰痛または根性坐骨神経痛を訴えて整形外科の外来を訪れる患者の極めて多いことは日常よく経験するもので,私どもの外来で根性坐骨神経痛と診断した636例の予後を調べてみると,537例(79.8%)の大部分は外来における保存的療法により症状の緩解をみているが,外来治療で治らず入院加療を要した残り99例(20.2%)の中で,89例の大多数は腰部椎間板ヘルニアに由来したもので,ヘルニア摘出術により全治し,その他の10例は入院保存的加療平均24日間で,一応症状は緩解し退院している(第1表).
このように根性坐骨神経痛と診断し,保存的療法を行なつても症状の緩解をみない大部分のものは,腰部椎間板ヘルニア症によるものであるといえるので,腰部椎間板症という広い概念の中でその主要な分野を占める腰部椎間板ヘルニア症に限定し,その診断と治療について述べることにした.
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