境界領域
前立腺癌,とくに骨転移の問題
落合 京一郎
1
,
竹内 弘幸
1
Kyoichiro OCHIAI
1
1東京医科歯科大学医学部泌尿器科学教室
pp.43-51
発行日 1969年1月25日
Published Date 1969/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908468
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まえがき
外国にくらべるとまだ少ないが,その発生頻度が徐々に増加の傾向を示しているものに前立腺癌がある.たとえば,米国などにおける前立腺癌による死亡率は人口10万人につき13人以上を示しており,これに対し本邦での死亡率は1950-1951年度調査では0.38人のものが1958-1959年度の調査では1.39人と約4倍近く増加している(瀬木,1963).
この前立腺癌は病理学的にもまた臨床的にも極めて特異な性状をもつている.前立腺癌が代表的なホルモン反応性癌(hormone-responsive cancer)であることはいうまでもないが,これが特有な骨転移を高率に発生することなどをも指摘することができる.本文では,この前立腺癌における骨転移の問題を,われわれのところでの経験例をも参考にして,記述することにする.
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