手術手技
膝関節硬着に対する滑動装置再建手術(山田)
山田 憲吾
1
,
新野 徳
1
Kengo YAMADA
1
1徳島大学医学部整形外科学教室
pp.53-64
発行日 1969年1月25日
Published Date 1969/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908469
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緒言
近時,産業ならびに交通災害の激増に伴い,四肢の重度外傷もますます増加の傾向を辿りつつある.秀れた化学療法剤の出現や整形外科治療学の進歩した今日においても,複雑かつ重度の損傷に続発する関節硬着の発生が少なくない.
われわれは,昭和31年以来,膝関節硬着に対してポリエチレン袋を挿入する滑動装置再建手術を実施しており,これに関する基礎的研究,手術術式ならびに成績に関しては既に日本整形外科学会席上および「整形外科の進歩」第7集「関節成形術」,その他の整形外科関係誌上において数多くの発表がなされてきた.その後,症例を重ねて現在まで本術式の実施症例が73例に達している.これらの症例の中,昭和43年7月末現在で術後1年以上を経過したものが64例ある.ただし,1例は術後4年9ヵ月で胃癌で死亡したので術後の成績からは除外した.これらの術前のリハビリテーションについて統計的観察を行ない,併せてわれわれの膝関節硬着に対する滑動装置再建手術(山田)の術式ならびに遠隔成績について述べたいと思う.
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