Japanese
English
臨床経験
有鉤骨鉤偽関節に続発した小指屈筋腱断裂の1例
Rupture of the Little Finger Flexor Tendon Associated with Ununited Fracture of the Hook of the Hamate : A Case Report
田中 健司
1,2
,
木野 義武
1
,
服部 順和
1
,
近藤 喜久雄
1
,
鈴木 潔
1
,
岸 精一
1
,
小出 敬之
1
,
木俣 一郎
1
,
岩田 佳久
1
,
亀山 泰
1
,
宮崎 芳一
1
,
夏目 徹
1
,
太田 進
1
,
矢島 弘毅
1
Kenji Tanaka
1,2
1名古屋掖済会病院整形外科
2安城更生病院
1Department of Orthopaedic Surgery, Nagoya Ekisaikai Hospital
キーワード:
fracture of the hook of the hamate
,
有鉤骨鉤骨折
,
ununited fracture
,
偽関節
,
flexor tendon rupture
,
屈筋腱断裂
Keyword:
fracture of the hook of the hamate
,
有鉤骨鉤骨折
,
ununited fracture
,
偽関節
,
flexor tendon rupture
,
屈筋腱断裂
pp.631-633
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901907
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:有鉤骨鉤骨折後の偽関節により小指屈腱断裂を生じた1例を経験したので報告する.症例は44歳,男性,鮮魚商.主訴は左小指屈曲障害.25年間冷凍マグロを解体する仕事に従事し,左手掌で包丁の背中を叩いてきた.1993(平成5)年5月初旬,仕事中突然,左小指屈曲障害に気づき紹介にて当科初診となる.初診時左小指は屈曲不能であり,手根管撮影で有鉤骨鉤に骨折を認め,それに伴う小指屈筋腱断裂を疑い手術を施行した.小指浅指・深指屈筋腱は偽関節となった有鉤骨鉤部で断裂し,環指浅指屈筋腱も一部磨耗を認めた.これは長期間にわたり有鉤骨鉤部の辺りで包丁の背中を繰り返し叩いてきたことによる外力で鉤部骨折を起こし,偽関節となり滑車となる鉤部で屈筋腱が磨耗脆弱化し断裂したものと考えられた.治療において骨片摘出と腱移行術を行い良好な結果を得ることができ原職に復帰している.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.