Japanese
English
臨床経験
初回人工股関節置換術における十字プレートの使用経験
Application of Cross Plates to Primary Total Hip Arthroplasty
田中 千晶
1
,
四方 實彦
1
,
高橋 真
1
,
中山 富貴
1
,
三原 一志
1
,
大西 宏之
1
,
梁瀬 義章
2
Chiaki Tanaka
1
1京都市立病院整形外科
2田附興風会北野病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kyoto City Hospital
キーワード:
primary total hip arthroplasty
,
初回人工股関節全置換術
,
acetabular reconstruction
,
臼蓋再建
,
rapidly destructive coxarthrosis
,
急速破壊型股関節症
Keyword:
primary total hip arthroplasty
,
初回人工股関節全置換術
,
acetabular reconstruction
,
臼蓋再建
,
rapidly destructive coxarthrosis
,
急速破壊型股関節症
pp.219-222
発行日 2000年2月25日
Published Date 2000/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908381
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抄録:人工股関節の臼蓋再置換術において,十字プレート(KerboullおよびKT)は原臼位臼蓋再建のための有効なプレートとして徐々に認められつつある.初回人工股関節置換術においても骨破壊のある4症例に対して,これらの十字プレートを使用した経験を述べる.症例は慢性関節リウマチ(RA),急速破壊型股関節症(RDC),変形性股関節症(OA),股関節放射線障害(lrradiated Hip)各1例で,全例2~7年の経過観察を行った.全例疼痛なく機能的には良好であった.RDC例とOA例ではX線像上のゆるみの所見を認めなかったが,RA(Protrusio acetabuli)例は術後5年で臼蓋側の移動とスクリュー1本の折損を認め,放射線障害股においてもスクリュー折損を認めた.RA例では技術的反省点(プレート固定の際に閉鎖孔フックの掛りが不十分であったこと)と移植自家骨の質的量的問題を,後者では病変自体の問題点を認識したが,RDC例のような臼蓋破壊例の初回THAに際しては,原臼位再建を行う場合に十字プレートは極めて有効な器具であると考えられた.臼蓋再置換術と同様にプレートサイズの選択,的確な設置固定,量的にも質的にも充分な移植骨は当然のことながら強調されるべきである.
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