Japanese
English
論述
脊椎手術後における創部感染発生危険因子の検討
A Study of Risk Factors in the Post-operative Spinal Wound Infection
高橋 寛
1
,
岡島 行一
1
,
米倉 徹
1
,
奥秋 保
1
,
安田 ゆりか
1
,
井形 聡
1
,
茂手木 三男
1
Hiroshi Takahashi
1
1東邦大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedics, Toho University School of Medicine
キーワード:
wound infection
,
創部感染
,
risk factor
,
危険因子
Keyword:
wound infection
,
創部感染
,
risk factor
,
危険因子
pp.1119-1125
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908347
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抄録:近年,内固定材の進歩,普及に伴い,脊椎手術は大きな発展を遂げたが,その反面,術中,術後合併症の報告も多くみられるようになった.われわれは,術後合併症のうち創部感染症に注目し,その発生危険因子,初期徴候について検討した.対象症例は当院において手術を行った男性335例,女性204例,合計539例である.創部感染は,表層感染5例,深部感染9例,合計14例であった.単独因子の検討では,手術までの期間が長い症例,ICU入院歴がある症例,手術時間が長く出血量の多い症例で感染率が高かった.多変量解析の結果,既往歴,手術時間,ICU入院歴の順で感染に関与していた.表層感染では経時的にCRP値は下降し,再熱発例は少なく,深部感染では経時的にCRP値は上昇し,再熱発例が多かった.術後創部感染の早期診断,治療を行うためにはその危険因子や初期徴候の把握が重要である.
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