視座
先天性内反足の治療から—corrective castとmanipulation
松野 誠夫
1,2
1北海道大学
2美唄労災病院
pp.567-568
発行日 1989年5月25日
Published Date 1989/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908101
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昭和30年以来,私どもは先天性内反足の変形矯正にギプス包帯を用い,これをcorrective castと命名1),現在まで屡々その治療成績について報告してきた.この方法については故森田氏から誌上反論2)があったが,本法をよく理解していないためと考えられたのでこの反論について反論3)したところである.
乳児の軟骨が極めてsoftで,長も重要な変形要素の1つである軟部組織はhardであるため,外部からの過大な矯正力を避けなければならないのは当然で,この矯正力の限界を会得するためには吉川教授4)が述べているように,"矯正力が均等に内部に伝わり,また足の抵抗の感触がギプス包帯を通して手に伝わるように……"であることが必要で,この感触を会得することには可成りの経験を必要とする.私が北大整形外科にいた時も,昭和30年から昭和38年頃までは私がすべての先天性内反足のmanipulationおよびcorrective castを行ったが漸次教室の高須,金田(現北大教授),加藤(哲)(現国立東京第2病院),飯坂(現北大医短教授),須々田,門司らの諸君が次々とその手技を引継いでくれたわけで,先天性内反足の病態を熟知しcorrective castの本質を理解した医師のみにより施行されなければならぬ.
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