Japanese
English
論述
神経芽腫骨転移症例の臨床的検討
Bone Metastasis in Neuroblastoma
田辺 政裕
1
,
高橋 英世
1
,
大沼 直躬
1
,
江東 孝夫
1
,
真家 雅彦
1
,
高田 典彦
2
Masahiro Tanabe
1
1千葉大学医学部附属病院小児外科
2千葉県がんセンター整形外科
1Department of Pediatric Surgery, Chiba University, School of Medicine
キーワード:
神経芽腫
,
neuroblastoma
,
骨転移
,
bone metastasis
,
骨シンチグラム検査
,
radionuclide skeletal survey
,
骨X線検査
,
roentgenographical skeletal survey
,
小児悪性腫瘍
,
neoplasms in infants and children
Keyword:
神経芽腫
,
neuroblastoma
,
骨転移
,
bone metastasis
,
骨シンチグラム検査
,
radionuclide skeletal survey
,
骨X線検査
,
roentgenographical skeletal survey
,
小児悪性腫瘍
,
neoplasms in infants and children
pp.933-937
発行日 1988年8月25日
Published Date 1988/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907916
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抄録:生後1ヵ月から12歳までの神経芽腫症例33例を対象にして,全身骨X線検査及び99mTc-MDPによる骨シンチグラムにより骨転移の検索を行った.33例中20例(61%)に骨転移を認め,同時期に経験した他の小児悪性固型腫瘍の骨転移頻度と比較して明らかに高かった.骨転移例の初発症状は,発熱・下肢痛が最も多く,45%の症例に見られた.これらの症状は,原発巣の腫瘍に由来しないため,診断の遅れる原因となっていた.これは,下肢痛の症状発現から治療が開始されるまでの期間が102日であるのに対して,原発巣の腹部腫瘤では22日であることからも裏付けられた.転移部位は,大腿骨,頭蓋骨,肋骨,骨盤の順で多かったが,骨X線検査での検出率はわずか15%であった.神経芽腫骨転移を骨X線検査だけで診断することは困難で,原因不明の下肢痛を訴える患児に対しては,種々の検査による本症の鑑別が必要である.
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